日本文学[中古]
読む源氏物語 読まれる源氏物語
読む源氏物語

吉井美弥子[著]
A5判/488頁
本体7200円(+税)
ISBN978-4-916087-89-8
C1095
2008.09

日本文学[中古]


〈声〉〈身体〉〈性〉、そして〈語り〉を視座に『源氏物語』の表現を読み解く一方で、その享受の様相を文化史に探る。
物語の内部から、そして外部から『源氏物語』を問い直す。

【目次】
はじめに──『源氏物語』を問い直す

T『源氏物語』の「声」・身体・人物
『源氏物語』正編の「声」
『源氏物語』続編の「声」
弁少将の「歌声」──光源氏と「高砂うたひし君」
歌う光源氏──帝の「声」の問題から
末摘花の身体・衣・性
『源氏物語』の「髪」へのまなざし
葵の上の「政治性」とその意義

U宇治十帖の〈語り〉・方法
薫をめぐる〈語り〉の方法
薫と〈女三の宮〉
宇治八の宮の「琴の琴」──響かぬ音色
早蕨巻の方法──巻頭表現を起点として
中の君の物語
附節宇治・大君・匂宮について
宿木巻の方法
宿木巻と「過去」──そして「続編」が生まれる
浮舟と父八の宮
浮舟物語における七夕伝説
浮舟物語の一方法──装置としての夕顔
蜻蛉巻試論──浮舟の「四十九日」
『源氏物語』の二人の小君
夢浮橋巻の沈黙

V読まれる『源氏物語』
「夢の浮橋」架橋考──谷崎から『源氏物語』へ
倉橋由美子と『源氏物語』──方法としての〈引用〉
田辺聖子と古典文学──いにしえを今に織りなす『新源氏』の論
宇治十帖転生──『あさきゆめみし』の『源氏物語』解釈をめぐって
教材としての『源氏物語』──紫の上の死をめぐって
国語教科書における『源氏物語』──『源氏物語』は「最高傑作」か

W『紫式部日記』を読む
『紫式部日記』における和歌の場面についての試論
附節『紫式部日記』の「めでたし」
『紫式部日記』論──「女/男」へのまなざし
附節『紫式部日記』追考──描かれない〈母〉中宮

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【著者紹介】
吉井美弥子(よしい みやこ)
1959年生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。現在、桐朋学園芸術短期大学教授。博士(文学)。
編著書『〈みやび〉異説――『源氏物語』という文化』(叢書・文化学の越境3、森話社、1997年)、共編著書『源氏物語事典』(大和書房、2002年)ほか。