日本文学[近世]
人は万物の霊  日本近世文学の条件
人は万物の霊

西田耕三[著]
近畿大学文芸学部教員
A5判/464頁
本体8200円(+税)
ISBN978-4-916087-71-3
C1095
2007.1

日本文学[近世]


近世期、勧善懲悪の根拠として多用されたのは、「人は万物の霊」という言葉であった。
近世期の人間のとらえ方の核心や、教化の根本的な枠組みにこの思想を見て、儒学・仏教・文芸のひろがりを論究する。

【目次】
[第一章]儒学の思考 人は万物の霊 死活の説
[第二章]仏教の想像力 世界は戯場の如し 妙幢浄慧の想像力
[第三章]超越的なものの理解 雷撃震死の説話 因果について
[第四章]創作の条件 仮名草子の主人公 言語表現としての俳諧 おさんのベッド・トリック 文坡と主夜神 「夢応の鯉魚」の意識 笑話と評
[第五章]西鶴の技法 透視の欲望 狂乱のすがた 細工の技 人形と人間 過去の物真似 物真似
[第六章]芭蕉の発想 常識 「幻住庵記」と中峰 転化の工夫
[第七章]近松の作意 土地の呪縛 『堀川波鼓』の鼓 『傾城反魂香』ノート

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【著者紹介】
西田耕三(にしだ こうぞう)
1942年生。東京大学文学部卒業。東京都立大学大学院中退。熊本大学教員を経て、現在、近畿大学文芸学部教員。
『生涯という物語世界 説教節』(世界思想社、1993年)、『仏教説話集成(一)(二)』(編、国書刊行会、1990年、1998年)、『俳諧集』(共編、汲古書院、1994年)、『仮名草子話型分類索引』(共編、若草書房、2000年)など。