深沢徹[著]
桃山学院大学教授
A5判/376頁
本体5600円(+税)
ISBN4-916087-69-0
C1095
2006.11
日本文学[中世]
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中世のはじめに書かれた慈円の歴史書『愚管抄』は、どのように「虚」を構えることによって、現実の歴史を超え出て、あるべき未来の歴史のビジョンを打ち出すことができたのか。
多分に「虚構」をまじえた、その「主体」のあり方と「叙述」のメカニズムを解明し、『愚管抄』の「文学」的な価値を計測する。
【目次】
[プロローグ『愚管抄』論に向けての二つの助走]
第1章 偽書の青春
第2章 狐がくれた「鎌」の話
[第T部 その二つの形式をめぐって]
第3章 天下を淳素に反すべし!
第4章 歴史の〈外部〉に立つこと
[第U部 その三つの主題をめぐって]
第5章 ハカラヒの政治学
第6章 女は世界を救えるか
第7章「未来騙り」のテキスト
[第V部 同時代テキストとの比較二題]
第8章「おわり」と「はじまり」の意識
第9章「安元の大火」に見る隠れた争点
[エピローグ 表題の意図をめぐって]
第10章 歴史を「書く」とはどういうことか
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【著者紹介】
深沢徹(ふかざわ とおる)
1953年生。立教大学大学院修士課程修了(文学修士)。
現在、桃山学院大学社会学部教授。平安・院政期文学専攻。
著書に『中世神話の煉丹術──大江匡房とその時代』(人文書院、1994年)、『自己言及テキストの系譜学──平安文学をめぐる7つの断章』(森話社、2002年)、編著に『かげろふ日記──回想と書くこと』(有精堂、1987年)、『オリエント幻想の中の沖縄──総合講座「南島文化論」レポート』(海風社、1995年)など。
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