| 日本文学[古代] | |
| 人に成る──古事記の神話的思考へ | |
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猪股ときわ[著] |
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多自然と神話的思考 未知の相手と歌うとき、歌い手自らも相手も「ひと」と成り、未知の存在とのコミュニケーション回路が開く。歌によって、神や鹿や猪、植物など多くの「ひと」のうごめく「多自然」のなかに入ろうとする『古事記』の神話的思考の世界を論じた古代文学論。 T 「人」に成る 1 海神宮訪問譚の「神」と「人」とワニ 「失われた釣鉤」型神話 見るための作法 世界を渡る姿形─「化」る 「誘惑する」─「魅了される」 作法を知ることと語ること 2 「人」とは何か トヨタマビメと「まれびと」 「女」と「女人」 技を担うのは「人」 「人」に出会う 名の「人」・歌の「ひと」 3 「人」と語る 「人」の古代へ 「人草」と「人」──上巻(神代)から中巻 「荒ぶる神/伏はぬ人」と言葉──中巻から下巻 「人民」と「人」と「神」 4 「軍」と「人」と 『古事記』の「いくさ」 「黄泉軍」──「いくさ」の起源 兄弟「二柱」の東征 「御手」と「手」の戦い 「いくさ」と歌の「声」 追記 U 重奏化する「声」 1 『古事記』の「多声」を聞く 方法としての「多声」 歌の叙事 叙事の重層/重奏 死者を歌う 死者が歌う 2 歌の「われ」 「類い」としての「自己」 向き合う「声」 問答形式 「われ」と「なれ」と 「類い」としての「自己」 3 「ひと」と歌う 「〜ひと」と歌う 「かみ」と「ひと」との酒造り 歌う「よのながひと」 「きびひとと ともにしつめば」 「かみのみやひと」と「みのさかりびと」 重層化する世界 4 神話的思考を喚起する歌 『源氏物語』と『古事記』と 「神話のことば・歌のことば」を受けて 『源氏物語』「帚木」 「植物の女」/「樹木の女」 狩猟と戦い V 狩猟・戦い・「愛」 1 鎮魂に抗する歌 『古事記』の忍熊王の乱を中心に 敵は異母兄弟 軍を語る 記憶すべきは死 鎮魂に抗する歌 戦士は語り、歌う 2 歌による「軍語り」 『日本書紀』忍熊王の乱の神話的思考 説話文の語る戦い 敗者が勝者を歌う 「どち」が「あふ」 勝者と成る 3 狩猟と戦争 宇陀の兄弟ウカシと天神御子たち 「戦争文学」としての『古事記』 鳥の言葉 「鳴鏑」と「押機」 「宇陀之血原」を食べる 「うだの たかき」──狩猟と戦争と 歌による調理──喩の働き 4 距離(ディスタンス)と「愛」 イザナキ・イザナミ神話を起点として 「距離」をとる 非言語コミュニケーション 「畏」み「逃」げる 「愛」と戦争 |
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[著者] 猪股ときわ(いのまたときわ) 1960年生まれ。鎌倉市在住。専門は日本古代の歌・神話の研究。 東京学芸大学大学院修士課程修了、東洋大学大学院博士後期課程満期退学。 2025年3月に東京都立大学を定年退職し、現在、同大学名誉教授。 著書に『歌の王と風流の宮──万葉の表現空間』(森話社、2000)、『古代宮廷の知と遊戯──神話・物語・万葉歌』(同、2010)、『異類に成る──歌・舞・遊びの古事記』(同、2016)。 | |