芸術・美術史 | |
芸術と社会 近代における創造活動の諸相 |
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高階絵里加・竹内幸絵[編] |
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個人の営み・個性の表現である芸術は、一方で社会のなかに生まれ、社会によって変化し、社会にはたらきかける力を持つ存在でもある。その芸術は、いかなる政治的・経済的環境のもとで生み出されたのか。それはなぜ受容者に受け止められ、それを必要とした社会は何を求めていたのか。本書は、社会の多様な位相における影響関係のなかで、近代の西洋、東アジア、日本の芸術を再考する。 T 芸術体験の現場 本願寺絵所について──西山別院本堂障壁画を中心に (大原由佳子) 美術展覧会場としての商品陳列所 (三宅拓也) 初期文展時代の芸術と社会 (高階絵里加) 展覧会会場から床の間へ──大正中期から昭和初期における表展出品作の分析を通して (多田羅多起子) フランス美術の「伝統」──包括と排除のレトリック (大久保恭子) U 社会と共振する芸術 『道房公記』にみる「九条家代々御影」について (國賀由美子) 戦前の日本における近代ベルギー美術の受容 (山田真規子) 国画創作協会展の鑑査にみる大正期の美術界──前期国展(第一回〜第三回)を中心に (藤本真名美) 村山龍平、朝日新聞社と展覧会──天平文化綜合展覧会を中心に (郷司泰仁) 京都におけるフランス文化受容の一側面──関西日仏学館の美術部・音楽部を例として (藤野志織) 近代絵画における引っかきへの試論──パブロ・ピカソの絵画を中心に (孝岡睦子) V 芸術とメディアの接近 明治・大正のメディアにおける〈芸用モデル〉──スキャンダルの種から職業、そして画題へ (ホルカ・イリナ) 明治大正名作展の基礎的考察 (中野慎之) アウラの夢と嘘──W・ベンヤミンの『複製技術時代の芸術作品』をめぐって (高階秀爾) 板垣鷹穂の映画論と社会──国家メディア戦略と「機械美学」の接近 (竹内幸絵) 新しい日本映画思想史のために (花田史彦) W 危機の時代の芸術 疫病と美術──イタリアのペストを中心に (宮下規久朗) セザンヌと社会 (永井隆則) スペイン・インフルエンザと美術──忘却の淵から甦ったパンデミック (河本真理) 拡張するノスタルジー、切迫するディストピア──第一次世界大戦とオペレッタ (小川佐和子) 戦時下の「前衛画家」たち──北脇昇と小牧源太郎、矛盾のなかで「生きる」こと (清水智世) 中国の「新興絵画」と社会、そして戦争──『美術雑誌』にみる何鉄華のモダニズム芸術理論について (呉 孟晋) あとがき 初出一覧 作品名索引 |
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[編者] 高階絵里加 (たかしな・えりか) 京都大学大学院地球環境学堂教授、京都大学人文科学研究所教授。美術史。 『異界の海──芳翠・清輝・天心における西洋[改訂版]』(三好企画、2006年)、「竹久夢二 《西海岸の裸婦》についての試論」(『竹久夢二研究』第3号、2022年3月)、「パリ万国博覧会 (1937年)における日本の展示について」(『日仏美術学会会報』第42号、2023年8月) 竹内幸絵 (たけうち・ゆきえ) 同志社大学社会学部教授。広告史、デザイン史。 『近代広告の誕生──ポスターがニューメディアだった頃』(青土社、2011年)、『開封・戦後 日本の印刷広告──『プレスアルト』同梱広告傑作選〈1949-1977〉』(編著、創元社、2020年)、「東京オリンピックプレ・イベントとしての赤と白の色彩」(朴順愛・谷川建司・山田奨治編 『大衆文化とナショナリズム』森話社、2016年) |