近代日本演劇
戦時下の演劇
国策劇・外地・収容所
戦時下の演劇

神山彰[編]
A5判/368頁
本体4600円(+税)
ISBN978-4-86405-180-4
C1074
2023.11

近代日本演劇




[T]忘れられた「国民」と「国策」
忘れられた「国策劇」──娯楽・検閲・外地(神山彰)
「国民演劇」を巡って(日比野啓)
興行としての「移動演劇」と「慰問公演」(神山彰)

[U]移動・慰問・収容所
戦争と演劇──東宝舞踊隊の慰問活動(小針侑起)
「軍隊」と「収容所」の演芸──異郷の昭和演劇(神山彰)

[V]異郷の「日本」演劇
「満洲国」の演劇(瀬戸宏)
戦時下の上海租界と演劇──呉祖光『文天祥』を中心に(瀬戸宏)
戦時下台湾における近代演劇(間ふさ子)
パロディとしての植民地朝鮮「国民演劇」論序説──『寒駅』・『山河有情』・笑い(金牡蘭)
東アジアの女子レヴュー──中国・韓国・台湾(細井尚子)

[W]「娯楽」と「伝統」と
戦時下の能楽── プロパガンダ・満洲ツーリズム・海外移民(佐藤和道)
戦時下の軽演劇団と国策活動──古川緑波一座にみる招待マチネー、内地慰問、空襲下の興行(中野正昭)
戦時下の農村における素人演劇(畑中小百合)

 
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[編者]
神山 彰(かみやま あきら)
明治大学名誉教授 専攻=近代日本演劇
『近代演劇の水脈──歌舞伎と新劇の間』(森話社、2009年)、『近代演劇の脈拍──その受容と心性』(同、2021年)

[執筆者](掲載順)
日比野啓(ひびの けい)
成蹊大学文学部教授 専攻=演劇学
『三島の子どもたち──三島由紀夫の「革命」と日本の戦後演劇』(白水社、2020年)、『「地域市民演劇」の現在──芸術と社会の新しい結びつき』(編、森話社、2022年)

小針侑起(こばり ゆうき)
芸能史評論家 専攻=浅草オペラ史、レビュー史
『あゝ浅草オペラ──写真でたどる魅惑の「インチキ」歌劇』(えにし書房、2016年)、『大正昭和美人図鑑』(河出書房新社、2018年)

瀬戸 宏(せと ひろし)
摂南大学名誉教授 専攻=中国現代文学・演劇
『中国話劇成立史研究』(東方書店、2005年)、『中国の現代演劇──中国話劇史概況』(同、2018年)

間ふさ子(あいだ ふさこ)
福岡大学非常勤講師 専攻=中国近現代文学
『中国南方話劇運動研究 1889-1949』(九州大学出版会、2010年)、三毛『三つの名を持つ少女──その孤独と愛の記憶』(共訳、石風社、2022年)

金 牡蘭(キム モラン)
早稲田大学文学学術院など非常勤講師 専攻=近現代朝鮮・韓国文学、比較文学
『異文化理解とパフォーマンス──Border Crossers』(共著、春風社、2016年)、『越境のパラダイム・パラダイムの越境──フュスリ絵画から魔法使いハウルまで』(共著、同、2023年)

細井尚子(ほそい なおこ)
立教大学異文化コミュニケーション学部・文学研究科教授 専攻=演劇学
『見る・見せる──中国四川・福建の表演にみる「演じる」こと・人・空間』(春風社、2020年)、「演劇の2タイプから見る日本の娯楽市場における「西洋」受容」(細井尚子編著『移行する大衆演劇──人々の記憶の現像と制度の再建』立教大学アジア地域研究所、2022年)

佐藤和道(さとう かずみち)
学校法人名古屋学院 名古屋中学・高等学校教諭 専攻=能楽
「戦時下の能楽──『忠霊』『皇軍艦』を中心に」(『演劇学論集』65、2017年11月)、「近代における演能の場の変容──公会堂演能と梅若流の影響について」(同69、2019年12月)

中野正昭(なかの まさあき)
淑徳大学人文学部教授 専攻=日本近現代演劇、大衆文化論
『ムーラン・ルージュ新宿座──軽演劇の昭和小史』(森話社、2011年)、『ローシー・オペラと浅草オペラ──大正期翻訳オペラの興行・上演・演劇性』(同、2022年)

畑中小百合(はたなか さゆり)
大阪大学・関西学院大学非常勤講師等 専攻=民俗学
「戦時下の農村と演劇──素人演劇と移動演劇」(『演劇学論集』47、2008年10月)、「地域共同体における「素人演劇」──神社祭礼との関わりから」(日比野啓編『「地域市民演劇」の現在』森話社、2022年)