映画・芸術 | |
光学のエスノグラフィ フィールドワーク/映画批評 | |
金子遊[著] |
|
撮ること、観ること、考えること──。これらの営みの総体として、映画は形成されている。 ロバート・フラハティからジャン・ルーシュへと連なる映像人類学をはじめ、アピチャッポン・ウィーラセタクン、王兵、ツァイ・ミンリャン、エドワード・ヤンといったアジアの映画作家まで、人類学的フィールドワークと映画批評を横断し、映像のなかに個を超えた人類の歴史、習俗、営みを見出す。 サントリー学芸賞受賞作『映像の境域』を発展させた批評の新地平。 [目次] 【1 光学的イメージの旅】 1 民族誌家としてのアーティスト──マヤ・デレンとヴードゥー信仰 2 ツァイ・ミンリャン、時間を描く画家 3 アピチャッポンと東北の森 4 亜熱帯のコスモポリタン──エドワード・ヤン論 5 台南とシュルレアリスム──『日曜日の散歩者』 【2 民族誌映画のフィールド】 6 神話を彫塑する──ロバート・フラハティ論 7 エスノフィクションの方法──ジャン・ルーシュ論 8 久高島のコスモロジー 9 むきだしの縄文──『海の産屋』と『廻り神楽』 【3 革命と戦争の世紀】 10 革命の民族誌──ストローブ=ユイレ論 11 光の叙事詩 王兵の『鉄西区』と『死霊魂』 12 リティ・パンと七つの外部記憶 13 ポスト東欧革命の映像──チェコ、マケドニア、ボスニア 14 ソーシャル・デザインとしての太陽花占拠 |
|
本書をamazonで購入 |
|
[著者紹介] 金子遊(かねこ・ゆう) 批評家、映像作家。多摩美術大学准教授、芸術人類学研究所所員。 映像、文学、フォークロアを領域横断的に研究する。 『映像の境域』(森話社、2017年)でサントリー学芸賞<芸術・文学部門>受賞。その他の著書に『辺境のフォークロア』(河出書房新社、2015年)、『異境の文学』(アーツアンドクラフツ、2016年)、『混血列島論』(フィルムアート社、2018年)など。 共編著に『クリス・マルケル 遊動と闘争のシネアスト』(森話社、2014年)、『アピチャッポン・ウィーラセタクン』(フィルムアート社、2016年)、『アメリカン・アヴァンガルド・ムーヴィ』(森話社、2016年)、『ジャン・ルーシュ』(森話社、2019年)など。 共訳書にティム・インゴルド『メイキング』(左右社、2017年)、アルフォンソ・リンギス『暴力と輝き』(水声社、2019年)などがある。 |