日本近現代文学 | |
胸底からの思考 柳田国男と近現代作家 | |
岡部隆志[著] |
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その基底に「情・無意識」といったものがある日本社会の不合理な現実のなかで、生活者の視線に寄り添う学問をめざした柳田国男や、現実と葛藤しながら生きる意味を模索し、あるいは社会変革をめざし、または意識の深みを描いた近現代の作家たちの作品を綿密に読み込んだ近現代文芸評論集。 [目次] 【T】 柳田国男のまなざし 『明治大正史世相篇』を読む 晴と褻の混乱 柳田国男の民族観 『先祖の話』を読む 戦死者の魂をめぐる日本人の葛藤 柳田国男と教科書 【U】 葛藤する表現 北村透谷論 永遠の未完 樋口一葉『にごりえ』論 情の行方 森鴎外論 曖昧者の悲哀 【V】 無意識をひらく 近現代文学とシャーマニズム 『銀河鉄道の夜』論 〈巫者〉としてのジョバンニ 笙野頼子論 言葉と化す哀しみ 極私的神話論 笙野頼子『金比羅』を読む 多和田葉子『犬婿入り』論 消費される民話 |
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[著者紹介] 岡部隆志(おかべ たかし) 1949年栃木県生まれ。共立女子短期大学名誉教授 専門は日本古代文学・近現代文学、民俗学。1997年からは中国雲南省の少数民族文化調査に赴く。他に現代短歌評論も手がける。 (主な著書) 『北村透谷の回復──憑依と覚醒』三一書房 1992年、『異類という物語──日本霊異記から現代を読む』新曜社 1994年、『言葉の重力──短歌の言葉論』洋々社 1999年、『中国少数民族歌垣調査全記録1998』工藤隆との共著 大修館書店 2000年、『古代文学の表象と論理』武蔵野書院 2003年 『聞き耳をたてて読む──短歌評論集』洋々社 2004年、『神話と自然宗教──中国雲南少数民族の精神世界』三弥井書店 2013年、『短歌の可能性』ながらみ書房 2015年、『アジア歌垣論 附中国雲南省白族の歌掛け資料』三弥井書店 2018年 |