芸術 | |
源氏絵の系譜 平安時代から現代まで | |
稲本万里子[著] |
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国宝「源氏物語絵巻」をはじめ『源氏物語』を主題とする絵画の系譜を、平安・鎌倉時代から室町時代、桃山時代、江戸時代と時代・流派ごとにたどる。 さらに現代の源氏絵や写真作品にも触れて、「源氏絵」という一大ジャンルがくりひろげる多彩な展開を、海外で所蔵される絵も含め、オールカラーで一般の読者にもわかりやすく解説(『週刊朝日百科 絵巻で楽しむ源氏物語五十四帖』連載の単行本化)。 【目次】 [第一章 平安時代の源氏絵] 徳川・五島本「源氏物語絵巻」 横笛段の役割 描かれなかった女三の宮 雲居雁の造形と女房の役割 紫の上の造形と〈理想〉の妻 柏木第一段から御法段までの制作背景 若紫段の絵の断簡の発見 先行図様の大胆なデフォルメ 名所絵引用と女性のいない空間 女絵と四季絵、月次絵の伝統 山里の女を垣間見る 描かれた女房の役割と身分 男君たちの〈理想〉の結婚 抵抗する女君たち 浮舟の身分と匂宮の支配 [第二章 鎌倉〜室町時代の源氏絵] 「源氏物語絵詞」 天理本「源氏物語絵巻」 土佐光信筆「源氏物語絵合冊子」表紙絵 土佐光信筆「源氏物語藤裏葉冊子」表紙絵 土佐光信筆「源氏物語画帖」 源氏絵の制作と所有 浄土寺本「源氏物語図扇面散屏風」 スペンサー本「白描源氏物語絵巻」 伝土佐光信筆「明石浮舟図屏風」 [第三章 桃山〜江戸時代の源氏絵] (1土佐派) 土佐光吉筆「源氏物語図屏風」 土佐光吉筆「源氏物語胡蝶図屏風」 土佐光吉筆「源氏物語図屏風」 土佐光吉筆「源氏物語手鑑」 土佐光吉・長次郎筆「源氏物語画帖」 土佐光吉と長次郎の画風の違い 複数の時間を合成する 雛遊びと物語絵 内大臣の戒め 薫りを描く 匂宮の香り 土佐派「源氏物語画帖」 土佐派「源氏物語図色紙」 土佐光則筆「源氏物語画帖」 (2住吉派・狩野派他) 住吉如慶筆「源氏物語画帖」 住吉具慶筆「源氏物語絵巻」 住吉具慶筆「源氏物語四季賀絵巻」 伝狩野永徳筆「源氏物語図屏風」 六条院の栄華を描く 狩野山楽筆「車争い図屏風」 狩野探幽筆「源氏物語図屏風」 源氏絵を描く女 幻の「源氏物語絵巻」の発見 幻の「源氏物語絵巻」末摘花巻 幻の「源氏物語絵巻」賢木巻 「源氏物語図屏風」 「源氏物語図屏風」 宇治の景観を描く 岩佐又兵衛筆「野々宮図」「和漢故事説話図」 俵屋宗達筆「源氏物語関屋澪標図屏風」 源氏香の図 [第四章 現代の源氏絵] 『谷崎源氏画譜』 岡田嘉夫『絵草紙源氏物語』 おおくぼひさこ『写真集窯変源氏』 |
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【著者紹介】 稲本万里子(いなもと・まりこ) 東京芸術大学大学院美術研究科修了。 恵泉女学園大学人文学部教授、徳川美術館非常勤研究員。 平安時代の絵巻と現代までの源氏絵を研究。 著書に『すぐわかる源氏物語の絵画』(共著)、『イメージとテキスト─美術史を学ぶための13章─』(共編著)、『イメージとパトロン─美術史を学ぶための23章─』(共編著)など。 |