歴史・文化史・民俗学
日本妖怪考  百鬼夜行から水木しげるまで
日本妖怪考

マイケル・ディラン・フォスター[著]
廣田龍平[訳]
A5判/392頁
本体4800円(+税)
ISBN978-4-86405-119-4
C1039
2017-8

民俗学・妖怪学


《シカゴ民俗学賞》受賞
捕まえようとすると、するりと手から逃れていく妖怪たち。日本人はその妖怪をどのように捉え、描き、表象してきたのか。
江戸時代に編まれた百科事典や画集から、近代科学とのせめぎあい、文学や民俗学との関わり、そしてマンガなど現代メディアの中の妖怪像まで、日本の「妖怪文化」を縦横無尽に語りつくす。ニューヨーク出身のアメリカ人民俗学者による気鋭の妖怪論。


【目次】

日本語版への序文
謝辞

第一章 妖怪への誘い
第二章 妖怪の博物学──百科事典、怪談、鳥山石燕の妖怪誌
第三章 妖怪の科学──井上円了、コックリ、人身電気
第四章 妖怪の博物館──近代、民俗学、妖怪の発見
第五章 妖怪のメディア──水木しげると口裂け女
第六章 妖怪文化──過去、現在、未来


参考文献
訳者あとがき
索引

本書をamazonで購入

【著者紹介】

マイケル・ディラン・フォスター(Michael Dylan Foster)
1965年、アメリカ・ニューヨーク市生まれ。カリフォルニア大学東アジア言語文化学科教授。スタンフォード大学Ph.D.(2003年)。
専門は民俗学と日本文学、特に妖怪や年中行事などに関する研究。
著作にChicago Folklore Prizeを受賞したPandemonium and Parade: Japanese Monsters and the Culture of Yokai(University of California Press, 2009, 本書)、The Book of Yokai: Mysterious Creatures of Japanese Folklore(University of California Press, 2015)、編著にThe Folkloresque: Reframing Folklore in a Popular Culture World(Utah State University Press, 2015)、UNESCO on the Ground: Local Perspectives on Intangible Cultural Heritage(Indiana University Press, 2015)、日本語論文に「視覚的想像 甑島のトシドンにおける見る/見られる関係の一考察」(『日本民俗学』273号、2013年2月、塚原伸治訳)、「「私、きれい?」女性週刊誌に見られる「口裂け女」」(小松和彦編『日本妖怪学大全』小学館、2003年)など。

[訳者]
廣田龍平(ひろた・りゅうへい)
1983年、福岡県生まれ。筑波大学人文社会科学研究科歴史・人類学専攻(一貫制博士課程)、東洋大学非常勤講師。
専門は文化人類学と民俗学、特に妖怪研究。
論文に「妖怪の、一つではない複数の存在論 妖怪研究における存在論的前提についての批判的検討」(『現代民俗学研究』6号、2014年3月)、「俗信、科学知識、そして俗説 カマイタチ真空説にみる否定論の伝統」(『日本民俗学』287号、2016年8月)、「カッパはポセイドンである 近世後期における東西妖怪比較試論」(『世間話研究』24号、2016年5月)など。