映画・映像 | |
映像の境域 アートフィルム/ワールドシネマ | |
金子 遊 |
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《第39回サントリー学芸賞》受賞[芸術・文学部門] 映像と言語、映像と芸術、映像と記録、政治と前衛、土地と伝統、民俗と信仰、その境域にたちあがる現代の相貌。 映像表現の可能性を拡張したアヴァンギャルド映画や、様々な問題を含みこむ現代映画をその背景からとらえ直し、イメージの生成を探る、渾身の映像論集。 T部では、ロバート・フランク、イジドール・イズー、モーリス・ルメートル、ギー・ドゥボール、クリス・マルケル、ジョナス・メカス、マリー・メンケン、ジャック・スミス、ハリー・スミス、マヤ・デレン、スタン・ブラッケージ、パゾリーニ、松本俊夫、ジル・ドゥルーズ、マルグリット・デュラスらの表現をたどり、U部では、南米、中東、アフリカ、東欧、そして沖縄の現代映画から、その背後にある政治的、民俗的、地政学的問題を探る。 【目次】 序論──アヴァンギャルドとエスノグラフィ T───映像詩の宇宙 作家篇 理論篇 U─01 ヨーロッパとラテンアメリカの往還 赤きオオカミへの挽歌 光と声の哲学的エッセイ──パトリシオ・グスマンとクリス・マルケル テロティシズム(Terroticism)──性とマージナルの映像 U─02 大きな物語と小さな物語 現代映画とアメリカス──ホンジュラス・リベリア 海の向こうで戦後がはじまる──アメリカ、イラク、アフガン パレスチナと約束の地──神話批判論 U─03 ロシアとグルジアの民俗を描く カフカース映画の民話的宇宙──テンギズ・アブラゼ ロシア監獄の入れ墨文化──デヴィッド・クローネンバーグ 現世的な魂の救済──アンドレイ・スビャギンツェフ U─04 世界と共鳴するオキナワ 琉球のシェイクスピア──中江裕司 批評の奪還──与那国島の批評家 あとがき──手に触れるフィルムの感触 |
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【著者紹介】 金子 遊(かねこ・ゆう) 映像作家、批評家。慶應義塾大学環境情報学部非常勤講師、ドキュメンタリーマガジンneoneo 編集委員。映像、文学、民族学を領域横断的に研究する。 著書に『辺境のフォークロア』(河出書房新社、2015)、『異境の文学』(アーツアンドクラフツ、2016)、編著に『フィルムメーカーズ』(同前、2011)がある。 共編著に『クリス・マルケル 遊動と闘争のシネアスト』(森話社、2014)、『国境を超える現代ヨーロッパ映画250』(河出書房新社、2015)、『アピチャッポン・ウィーラセタクン』(フィルムアート社、2016)、『アメリカン・アヴァンガルド・ムーヴィ』 (森話社、2016)、共訳書にマイケル・タウシグ『ヴァルター・ベンヤミンの墓標』(水声社、2016)など。 |