歴史・文化史・民俗学
世礼国男と沖縄学の時代  琉球古典の探求者たち
世礼国男と沖縄学の時代

本体5800円(+税)
末次智[著]
A5判/296頁

978-4-86405-113-2
C1095
2017.03

琉球文学・琉球芸能


アイデンティティ探求のための郷土研究が、ナショナリズムを補完してしまうという矛盾。
戦前の沖縄学の研究者たちは、その矛盾を抱えながら、どのように考え、生きたのか。大正末から戦時下にかけて活躍した世礼国男、島袋全発、宮城真治、比嘉盛章などの新おもろ学派を中心に、伊波普猷、小野重朗なども含め、沖縄学の礎を築いた人々の事績を明らかにする。

【目次】

[T 世礼国男の仕事]
 1 人生と研究の軌跡
 2 『おもろさうし』研究
 3 身体の楽譜 琉球古典音楽野村流と世礼国男の「声楽譜」
 4 戦時中の琉球神道研究
 5 幻の詩集『阿旦のかげ』を求めて

[U 新おもろ学派とその周辺]
 1 島袋全発と比嘉盛章
 2 伊波普猷と新おもろ学派
 3 宮城真治と新おもろ学派
 4 小野重朗の分離解読法

[V 資料編]
 宮城真治草稿翻刻 「『おもろさうしの読法 展読法の研究』に対する卑見」
 世礼国男関係年譜
 世礼国男著作一覧
 
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【著者紹介】
末次智(すえつぐ・さとし)
1959年、福岡県生まれ。京都市在住。琉球文学、うたの文化専攻。
琉球大学法文学部文学科国文学専攻卒業。立命館大学文学部大学院博士課程後期課程単位取得。
四條畷学園女子短期大学講師を経て、現在、京都精華大学人文学部教授。
2012年、沖縄文化協会賞仲原善忠賞受賞。
著書に『琉球の王権と神話──『おもろさうし』の研究』(第一書房、1995年)、『琉球宮廷歌謡論──首里城の時空から』(森話社、2012年、日本歌謡学会第30回志田延義賞)。
論文に、「日本歌謡学の領域をめぐって──ボーカロイド歌という「うたの発生」を通して」(『日本歌謡研究』第53号、日本歌謡学会、2013年12月)、「歌の発生覚え書き──生物言語学からのアプローチ」(『口承文芸研究』第39号、日本口承文芸学会、2016年3月)など。