芸能・演劇
演出家ピスカートアの仕事   ドキュメンタリー演劇の源流
演出家ピスカートアの仕事

萩原 健[著]
A5判/384頁
本体5800円(+税)
ISBN978-4-86405-111-8
C1074
2017-3

ドイツ演劇


《第50回日本演劇学会河竹賞奨励賞》受賞
20世紀ドイツの演出家、エルヴィーン・ピスカートアは、ブレヒトが好敵手とし、久保栄、千田是也、佐野碩が関心を寄せ、テネシー・ウィリアムズとジュディス・マリーナは師と仰いだ。
ドイツ・ソ連・アメリカで活動し、1920・60年代アヴァンギャルド演劇を牽引したキーパーソンの仕事の全体像を明らかにする。

【目次】

序章 ピスカートアの仕事、あるいは書かれないままだった演劇史

[第T部 ヴァイマル・ドイツ期――平和の希求、共和国の社会矛盾に対する問題提起]
第1章 「芸術から政治へ」──政治演劇の成立
第2章 異なる時空間の組み合わせ──空間的・時間的モンタージュの展開
第3章 「劇場機械」の駆使──第一次・第二次ピスカートア・ビューネ
第4章 俳優の身体が持つ可能性の再認識──第三次ピスカートア・ビューネ

[第U部 ソヴィエト・ロシア期――政治演劇の理想の地とその現実]
第5章 映画の制作──報われぬ仕事、計画どまりの仕事
第6章 演劇制作環境整備の努力
第7章 フランスでの過渡期

[第V部 アメリカ期――カモフラージュする政治演劇]
第8章 「政治から芸術へ」──ニューヨークでの「転向」
第9章 新大陸から発せられる反戦の声──第二次世界大戦下の仕事
第10章 二度目の戦後──第二次世界大戦後のワークショップの展開

[第W部 西ドイツ期――故郷での不遇と復活、政治的沈黙への抗議]
第11章 異郷での演劇学校長から故郷でのフリーランスの演出家へ
第12章 記録演劇の確立──近過去と現在についての自省を促す演劇

終章 ピスカートアの仕事の演劇史的意義とその遺産

あとがき
年譜
文献
主要事項索引
主要人名索引
 
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【編者紹介】
萩原 健(はぎわら・けん)
1972(昭和47)年 東京生まれ
東京大学大学院総合文化研究科博士課程 単位取得満期退学
専門は現代ドイツ語圏の演劇および関連する日本の演劇
2005(平成17)年より早稲田大学坪内博士記念演劇博物館助手
2008(平成20)年より明治大学国際日本学部専任講師。准教授を経て、現在、同教授
(訳書および分担執筆)
エリカ・フィッシャー=リヒテ『パフォーマンスの美学』(共訳、論創社)、『オペラ学の地平 総合舞台芸術への学際的アプローチU』(分担執筆、彩流社)、『演劇インタラクティヴ 日本×ドイツ』(分担執筆、早稲田大学出版部)、『村山知義 劇的尖端』『ステージ・ショウの時代』(以上分担執筆、森話社)、『佐野碩 人と仕事』(分担執筆、藤原書店)ほか