歴史・文化史・民俗学 | |
「学校芸能」の民族誌 創造される八重山芸能 | |
呉屋淳子[著] |
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「歌と踊りの島」と呼ばれ、多様な芸能を誇る八重山の島々では、高校生たちが地域の人々の力をかりて、民俗芸能継承の一翼を担っている。 学校と地域の相互行為によって創造される芸能を「学校芸能」として位置づけ、石垣島の高校でのフィールドワークから、民俗芸能の未来を描き出す。 【目次】 はじめに 「学校芸能」とは 第T部 [序章]現代社会における民俗芸能と学校 一 本書の背景と目的 二 先行研究の検討 三 調査概要 四 本書の構成 [第一章]調査地概況 一 沖縄県八重山諸島 二 八重山の歴史的背景 三 戦後八重山における学校教育の歴史 第U部 [第二章]歴史からみる八重山芸能とその成立過程 一 八重山への琉球古典芸能と大和芸能の流入 二 民俗芸能としての八重山の歌と踊り 三 八重山芸能の確立とその背景 四 戦後八重山における八重山芸能と琉球古典芸能 五 沖縄日本本土復帰以降の八重山芸能 六 八重山ひるぎの会の設立とその活動 小括 [第三章]八重山芸能を創造する場としての学校 一 学校における八重山芸能の導入──萌芽期 二 八重山における芸能文化の形成と学校 三 沖縄県高等学校教職員組合の活動 四 琉球大学八重山芸能研究会 小括 第V部 [第四章]「学校芸能」と全国高等学校総合文化祭 一 全国高等学校文化連盟の設立経緯 二 全国高等学校総合文化祭 三 沖縄県高等学校文化連盟の設立 四 沖縄県高等学校郷土芸能大会 五 全国高等学校総合文化祭沖縄大会 六 審査制度がもたらした影響 小括 [第五章]「学校芸能」の創造と教育課程の関係 一 「学校設定科目」と「学校設定教科」 二 教育課程の再編成と八重山芸能 三 「研究所」と八重山芸能の教育 四 八重山芸能の指導者と授業 五 八重山芸能と教育課程 小括 [第六章]「学校芸能」の現在 一 三高校の郷土芸能部の活動 二 三高校の郷土芸能部における演目と演出の特徴 三 三高校の郷土芸能部の活動に特定の流派が与える影響 四 地域社会と関わりながら展開する郷土芸能部の活動 五 八重山芸能の継承者の育成 小括 [終章]「学校芸能」をめぐる視角 一 「学校芸能」からみる八重山芸能 二 「学校芸能」の創造と展開 三 「学校芸能」の未来と展望に向けて 参考文献 巻末資料 あとがき 索引 |
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【著者紹介】 呉屋淳子(ごや・じゅんこ) 1978年生 2007年 国立ソウル大学大学院社会科学人類学科修士課程修了 2012年 名古屋大学大学院教育発達科学研究科単位取得満期退学 2015年 博士(教育学) 専門は、教育人類学と民俗芸能研究。 現在は、山形大学教育開発連携支援センター講師。 民俗芸能を創造する「場」としての学校に着目しながら、2004年から朝鮮半島(ソウル・全羅南道)、2009年から南西諸島(八重山・沖縄・奄美)、2015年から東北(山形・宮城)を中心にフィールドワークを行っている。 主な著書および論文 「学校のなかの八重山芸能──人の移動と八重山芸能の成立過程に注目して」(『国立歴史民俗博物館研究報告』第199集、国立歴史民俗博物館編、2015年) “Tanedori” of Taketomi Island: Education of Performing Arts and Interrogational Transmission, International Journal of Intangible Heritage, Volume 6, The national folk museum of Korea, 2011. |