芸能・演劇 | |
浅草オペラ 舞台芸術と娯楽の近代 | |
杉山千鶴・中野正昭[編] |
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大正時代の浅草で熱狂的な人気を博した「浅草オペラ」。 日本オペラ初期の徒花に過ぎないとする見方がある一方で、“オペラ華やかなりし頃”を懐かしむ人々も少なくない。理想的な西洋の芸術と、日本の大衆や現実の興行が出合うなかで誕生し、大正の芸術と娯楽を彩りながら、やがて昭和のモダニズム文化にもつながった浅草オペラの人と舞台を多角的にさぐる。 【目次】 [序論] 1 浅草オペラという近代=中野正昭 [第T章 浅草オペラの源流] 2 大正オペラの祖ローシーの〈空白時代〉を探る──バランシンに繋がった波瀾万丈なる生涯=上野房子 3 浅草の翻訳歌劇の歌詞──ベアトリツェがベアトリ姉ちゃんになるまで=大西由紀 [第U章 浅草オペラの女たち] 4 高木徳子とアイドルの時代=笹山敬輔 5 澤モリノの生涯──浅草オペラの「女王」の足跡=小針侑起 [第V章 浅草オペラの舞踊と演劇] 6 浅草オペラの舞踊=杉山千鶴 7 オペラ座と音楽家・小松耕輔の仕事──浅草オペラにおける名作オペラのダイジェスト版=中野正昭 [第W章 浅草オペラのメディア] 8 歌劇雑誌と浅草オペラ・ファン=京谷啓徳 9 浅草オペラから舞踊小唄まで──佐々紅華の楽歴=毛利眞人 |
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【編者紹介】 杉山千鶴(すぎやま・ちづる) 早稲田大学スポーツ科学学術院教授 専攻:近代日本洋舞史、舞踊技法研究(モダンダンス) 「文字の世界で踊り続ける──1920年代浅草の女王・河合澄子」(瀬戸邦弘・杉山千鶴編『近代日本の身体表象──演じる身体・競う身体』森話社、2013年)、「小森敏──静けさを愛する心を糧に」(片岡康子監修『日本の現代舞踊のパイオニア──創造の自由がもたらした革新性を照射する』新国立劇場情報センター、2015年) 中野正昭(なかの・まさあき) 早稲田大学演劇博物館招聘研究員、明治大学ほか兼任講師 専攻:日本近現代演劇・演芸 『ムーラン・ルージュ新宿座──軽演劇の昭和小史』(森話社、2011年)、“Modern Comedy and Musical Review Show”ほかを分担執筆(Jonah Salz ed., A History of Japanese Theatre, Cambridge University Press, 2016) |