呉哲男[著]
A5判/424頁
本体7500円(+税)
ISBN978-4-86405-102-6
C1095
2016.10
日本文学[古代]
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主に古事記・日本書紀の中で語られる古代の国家や天皇制の成立などについて、従来の歴史学や文学研究プロパーでは論じることのできなかった課題に対し、現代思想の知見との対話によって「抽象力」で迫りつつ、広く東アジア世界の中に古代日本の位相を見定める。
【目次】
[序言]
[第一部] 古事記・日本書紀論
第一章 神功皇后と卑弥呼──東アジア漢字文化圏の帝国/小帝国
第二章 古事記の成立──稗田阿礼と太安万侶
第三章 古事記の成立と多氏
第四章 古事記と日本書紀の世界観
第五章 古事記の神話と対称性原理
第六章 贈与(互酬)交換としての国譲り神話──古代国家と古事記
[第二部] 古代文学における思想的課題
第一章 古代国家論──天皇制の起源をめぐって
第二章 「見るな」の禁止はどこから来るのか──大物主神に関連して
第三章 文字の受容と歴史の記述──いくつもの日本へ
第四章 日本書紀と春秋公羊伝──皇極紀の筆法を中心に
第五章 古代日本の「おほやけ公」と日本書紀
第六章 オホヤケ(公)の系譜学的遡行──日本書紀・古事記から
第七章 ヤマトタケルと「東方十二道」
第八章 丹後国風土記逸文「水江浦嶼子説話」をめぐって──神話的アレゴリーの墜落
[第三部] 万葉集論
第一章 「鎮め」の論理──和歌形式の成立に関連して
第二章 表象としての東歌(一)
第三章 表象としての東歌(二)
第四章 後期万葉宴歌における「抒情」の行方
第五章 万葉集羈旅歌の基礎構造
第六章 「乞食者の詠」(巻十六・三八八五)の「われ」──「無主物」に抗して
第七章 ホモソーシャル文学の誕生──伊勢物語と万葉集を横断する
[付論]
一 戦後の神話研究はどのように語られてきたのか
二 国家/王権論の展開──学会時評から
三 書評 西條勉著『アジアのなかの和歌の誕生』『柿本人麻呂の詩学』
四 反白川静論
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【著者紹介】
呉 哲男(ご・てつお)
1945年東京都生まれ。二松学舎大学大学院博士課程単位取得退学。古代日本文学専攻。
共立女子短期大学、武蔵大学、立正大学、二松学舎大学の兼任講師を経て、相模女子大学教授。現在、相模女子大学名誉教授。
著書に『古代言語探究』(五柳書院)、『古代日本文学の制度論的研究』(おうふう)など。
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