映画・映像
戦後映画の産業空間   資本・娯楽・興行
戦後映画の産業空間

谷川建司[編]
A5判/352頁
本体4500円(+税)
ISBN978-4-86405-098-2
C1074
2016-7

日本映画


芸術だけが映画ではない。
映画会社の経営戦略、あの手この手の企画・宣伝、背後にある国家の政策、観客や他メディアとの関係など、資本の論理からとらえ直す、もう一つの戦後映画史。

【目次】

はじめに=谷川建司

【T 最大利益を確保するための構造】
1 日活の映画製作再開と「五社協定」──ポスト占領期における企業間競争の変化=井上雅雄
2 日本映画輸出振興協会と輸出向けコンテンツ──政府資金活用による怪獣映画製作とその顛末=谷川建司
3 東映動画株式会社における映画製作事業とその縮小=木村智哉
4 独立プロダクションの製作費に見る斜陽期の映画産業──ピンク映画はいかにして低予算で映画を製作したのか=板倉史明

【U 観客との関係から定まる方向性】
5 リバイバル・メロドラマ──戦後日本におけるメロドラマの再映画化ブームについて=河野真理江
6 東宝サラリーマン喜劇“社長シリーズ”の成立と終焉=西村大志
7 混淆するチャイナカラーの分流──昭和戦後期の日本映画はなぜ「中国表象」を必要とするのか=アン・ニ
8 戦後原子力映画と「安全神話」史=ミツヨ・ワダ・マルシアーノ
9 大手映画会社の初期テレビ産業への進出──テレビ映画製作を中心に=北浦寛之
10 試論・映画スター大川橋蔵──東映スター中心主義とファンの狭間で=小川順子
11 セーラー服と機関銃とサウンドトラック盤──初期「角川映画」における薬師丸ひろ子のレコードの役割=長門洋平

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【編者紹介】
谷川建司(たにかわ・たけし)
早稲田大学政治経済学術院客員教授。映画史、大衆文化研究
『アメリカ映画と占領政策』(京都大学学術出版会、2002年)、『戦後「忠臣蔵」映画の全貌』(集英社クリエイティブ、2013年)、『東アジアのクリエイティヴ産業──文化のポリティクス』(共編著、森話社、2015年)、『大衆文化とナショナリズム』(共編著、森話社、2016年)