歴史・文化史・民俗学
満蒙開拓青少年義勇軍の旅路  光と闇の満洲
満蒙開拓青少年義勇軍の旅路

旅の文化研究所[編]
四六判/288頁
本体2700円(+税)
ISBN978-4-86405-094-4
C0021
2016.04

近代史


夢と希望を抱き満州に渡った八万六千の少年たち。彼らを待っていたのは、広漠たる大地と敗戦という現実だった。
国内での募集から渡満の行程、訓練所での日々、そして引揚げという過酷な帰途まで当事者の証言と資料をもとに描く。

【目次】

[序章] 「満蒙開拓青少年義勇軍」前史=神崎宣武
[第一章] 招待旅行にみる満洲イメージ=高媛
[第二章] 義勇軍設立と内原訓練所の日々=松田睦彦
[第三章] 満洲への旅路=山本志乃
[第四章] 現地訓練と満洲の現実=松田睦彦
[第五章] 義勇軍と女性たち=村山絵美
[第六章] 終戦、そして引揚げ=山本志乃
[終章] 「春傷」の満洲体験=神崎宣武

[コラム]
歌と満洲
ふたつの資料館
満洲移民と開拓団
「義勇軍の火野葦平」と呼ばれた男
満洲に先鞭をつけた女たち
慰霊の旅と中国の反応


本書をamazonで購入

【執筆者紹介】
神崎宣武(かんざき・のりたけ)
1944年、岡山県美星町生まれ。旅の文化研究所所長、岡山県宇佐八幡神社宮司。民俗学
『「おじぎ」の日本文化』(角川ソフィア文庫、2016年)、『大和屋物語──大阪ミナミの花街民俗史』(岩波書店、2015年)

高 媛(こう・えん)
1972年、中国北京市生まれ。駒澤大学グローバル・メディア・スタディーズ学部准教授。歴史社会学
「一九二〇年代における満鉄の観光宣伝──嘱託画家・眞山孝治の活動を中心に」(『Journal of Global Media Studies』第17・18合併号、2016年3月)、「観光・民俗・権力──近代満洲における「娘々祭」の変容」(『旅の文化研究所研究報告』25、2015年12月)

松田睦彦(まつだ・むつひこ)
1977年、横浜市生まれ。国立歴史民俗博物館准教授。民俗学
『人の移動の民俗学──タビ〈旅〉から見る生業と故郷』(慶友社、2010年)、「移動の日常性へのまなざし──「動」的人間観の獲得をめざして」(『〈人〉に向きあう民俗学』森話社、2014年)

山本志乃(やまもと・しの)
1965年、鳥取市生まれ。旅の文化研究所主任研究員。民俗学
『行商列車──〈カンカン部隊〉を追いかけて』(創元社、2015年)、『女の旅──幕末維新から明治期の11人』(中公新書、2012年)

村山絵美(むらやま・えみ)
1980年、新潟生まれ。武蔵大学人文学部准教授。民俗学
「戦争の記憶と語り──「経験する主体」と「想起する主体」」(『日本学報』35巻、2016年3月)、「沖縄のシャーマニズムとグリーフワーク」(『武蔵大学人文学会雑誌』第44巻3号、2013年3月)