映画・映像 | |
日本映画におけるテクスト連関 比較映画史研究 | |
山本喜久男[著]/奥村賢・佐崎順昭[編] |
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戦後日本映画の黄金期を代表する小津安二郎、溝口健二、黒澤明、木下恵介、今井正の作品を、綿密なショット分析によって主に外国映画と相互比較をし、さらに他の芸術や芸能との連関にも言及しながら、テクスト間の影響関係や相互作用を明らかにする。 戦前の作品が中心だった『日本映画における外国映画の影響 比較映画史研究』(1983年)上梓後に執筆された遺稿を今回あらたに編集した。 【目次】 序章 日本映画の雰囲気 [T 小津安二郎] 第1章 小津と歌舞伎 第2章 二人の老やもめ──小津映画〈移りの詩学〉の誕生 第3章 無限の“空”の入れ子構造──伝統芸術と『晩春』のテクスト連関 第4章 『東京物語』の時空の揺らぎ [U 溝口健二] 第1章 『近松物語』と下座音楽 [V 黒澤 明] 第1章 『素晴らしき日曜日』──黒澤明とD・W・グリフィス 第2章 『酔いどれ天使』と対照の語り 第3章 『裸の町』の『野良犬』への影響──両作品に関する内外の言説の史的展望 第4章 『野良犬』における反射性 第5章 『羅生門』の光と影の錯綜 第6章 『七人の侍』と外国映画 [W 木下恵介] 第1章 『わが恋せし乙女』のテクスト連関 第2章 木下恵介とフランク・キャプラ 第3章 リリー・カルメンて誰だ──テクスト連関の申し子 第4章 『二十四の瞳』のテクスト連関──ジャン・ルノワールから歌尽し人揃えまで [X 今井 正] 第1章 『青い山脈』と『ミネソタの娘』──占領下の今井映画と欧米映画のテクスト連関 第2章 『また逢う日まで』と『ピエールとリュース』──二作品の窓ガラス越しのキス・シーンの差異の意味 第3章 『どっこい生きてる』と『自転車泥棒』──戦後の革新的西欧映画と日本映画との一つの出会い 終章 成瀬巳喜男の映画的宇宙 |
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【著者紹介】 山本喜久男(やまもと・きくお/映画史研究) 1931 年 東京にて出生 1954 年 早稲田大学第一文学部英文学専修卒業 1958 年 早稲田大学大学院文学研究科演劇専修修士課程修了 1967 年 同博士課程満期退学 1971 年 早稲田大学文学部演劇専修専任講師 1974 年 同助教授 1979 年 同教授 1997 年 早稲田大学を退職 2000 年 没 [主要著書] 『世界の映画作家31 日本映画史 実写から成長―混迷の時代まで』(共著キネマ旬報社、1976 年)、『日本映画における外国映画の影響 比較映画史研究』(早稲田大学出版部、1983 年)、『映画の風景』(早稲田大学出版部、1985 年) [主要訳書] ドナルド・リチー『小津安二郎の美学 映画の中の日本』(フィルムアート社、1978 年)、ポール・シュレイダー『聖なる映画 小津|ブレッソン|ドライヤー』( フィルムアート社、1981 年) 【編者紹介】 奥村 賢(おくむら・まさる/映画・映像研究) いわき明星大学教養学部教授 編著書に『ドイツ・ニューシネマを読む』(共編著、フィルムアート社、1992 年)、『世界映画大事典』(共編著、日本図書センター、2008 年)、『映画と戦争 撮る欲望/見る欲望』(編著、森話社、2009 年)、訳書に『アンゲロプロス 沈黙のパルチザン』(フィルムアート社、1996 年)など 佐崎順昭(さざき・よりあき/日本映画史研究) 東京国立近代美術館フィルムセンター研究員 編著書に『FC90 内田吐夢監督特集』(共編著、東京国立近代美術館、1992 年)、『世界映画大事典』(共編著、日本図書センター、2008 年)、『映画公社旧蔵 戦時統制下映画資料集』(共編著、ゆまに書房、2014 年)など |