芸能・演劇
交差する歌舞伎と新劇
交差する歌舞伎と新劇

近代日本演劇の記憶と文化 4

神山彰[編]
A5判/352頁
本体4500円(+税)
ISBN978-4-86405-090-6
C1374
2016-2

近代日本演劇


伝統と前衛の錯綜
歌舞伎と新劇は、今では漠然と対立的に捉えられているが、実際には明治期以来、横断的な人的交流があり、相互に影響・補完しあう関係にあった。
さらに新派や前進座、アングラなどもふくめた、近代演劇の複合的な展開を多角的に考察する。
彼らが追い求めた理想の演劇とは──。

【目次】

[T総論]
第1章 横断的に見る歌舞伎と新劇=神山彰

[U歌舞伎と新劇の複合]
第2章 演劇改良運動と川上音二郎の新演劇──『江戸城明渡』という問題領域=後藤隆基
第3章 黙阿弥と新歌舞伎のあいだ──「狭間」の作者たち=日置貴之
第4章 『漂流奇譚西洋劇』あるいは歌舞伎とメロドラマの出会い=堤春恵

[V共有領域と中間領域]
第5章 花柳章太郎の新劇座―─新しい〈現代大衆劇〉を求めて=赤井紀美
第6章 小山内薫と晩年の偉人劇―─『森有礼』『戦艦三笠』『ムッソリニ』=熊谷知子
第7章 共有領域としてのプロレタリア演劇──前進座の誕生とその背景=正木喜勝

[W演技と劇作と]
第8章 演技術から見る歌舞伎と新劇=笹山敬輔
第9章 表情をめぐる冒険―─明治時代末期、新旧俳優の挑戦と挫折=村島彩加
第10章 久保栄と岩田豊雄と歌舞伎―─新劇の劇作家とその歌舞伎観=大橋裕美

[X戦後の転換点]
第11章 昭和三十年代の新劇と歌舞伎の間―─個人的回想=毛利三彌
第12章 新劇・アングラから見る歌舞伎―─一九七〇年前後を中心に=神山彰
 
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【編者紹介】
神山彰(かみやま あきら)
1950年生まれ 明治大学文学部教授 専攻=演劇学・近代日本演劇
〈著書〉『近代演劇の来歴──歌舞伎の「一身二生」』(森話社)、『近代演劇の水脈──歌舞伎と新劇の間』(森話社)
〈共編著〉『河竹黙阿弥集』(新日本古典文学大系 明治編 第8巻、岩波書店)、『忘れられた演劇』(森話社)、『商業演劇の光芒』(森話社)
〈共著〉『歌舞伎の空間』(歌舞伎文楽講座 第6巻、岩波書店)、『三島由紀夫の表現』(三島由紀夫論集U、勉誠出版)、『近代文学の起源』(日本文学研究論文集成24、若草書房)、『時代劇伝説──チャンバラ映画の輝き』(日本映画史叢書4、森話社)ほか