|
谷川建司・須藤遙子・王向華[編]
A5判/352頁
本体4500円(+税)
ISBN978-4-86405-082-1
C1036
2015.07
メディア論・文化史
|
近年、東アジアの各国が力をいれるクリエイティヴ産業。
映画やアニメ、テレビ番組、出版などのコンテンツ輸出に加え、その方法論は観光などにも適用され、外貨獲得の手段となっている。
本書では、台湾、香港、中国、日本など、東アジア間の相互関係に目を向けながら、クリエイティヴ産業に内在する政治性を読みとく。
【目次】
はしがき…………谷川建司・須藤遙子
[T 観光]
1 文化クリエイティヴ産業と新公共ガバナンス制度──宜蘭観光ファクトリーの経験=陳聖智・陳威霖・蔡佩純・黄怡嘉
2 キッチュ、“山寨”、醜さ──現代中国の都市における建築ユートピアの創造=潘律
3 中国の文化政策における戦争記憶と記録について──南京大虐殺記念館を中心に=王暁葵
[U 出版]
4 近現代日本の大衆社会化と活字メディアの読者参加企画──一九五〇年代『週刊朝日』の「表紙コンクール」「文化講演会」を中心に=阪本博志
5 出版された植民地主義──『香港年鑑』を事例として=周凌楓・王向華
6 幻の慰問雑誌?その政治性、文化性──旧海軍省監修『戦線文庫』を中心にして=押田信子
[V 放送]
7 創造か規制か──台湾と韓国の放送業界の比較分析=黄意植
8 テレビアニメーションの国産化と初期事業の形成──一九六〇年代日本のアニメーション制作会社とテレビ局を例に=木村智哉
[W 映画]
9 自衛隊協力映画に反映されるリアル・ポリティクス──小泉政権二〇〇五年と安倍政権二〇一三年の作品から=須藤遙子
10 中国における映画──国家による規制=王勁健
11 日本の国家イメージについての「諸刃の刃」的インパクト──『新しき土』(一九三七年)から『My Japan』(一九四五年)へ=谷川建司
おわりに──クリエイティヴ産業の研究は常に政治的である、さもなければ、なにものでもない…………王向華 345
|
本書をamazonで購入
|
【編者紹介】
谷川建司(たにかわ・たけし)
早稲田大学政治経済学術院客員教授、国際日本文化研究センター客員教授。映画史、大衆文化研究
『アメリカ映画と占領政策』(京都大学学術出版会、2002年)、『戦後「忠臣蔵」映画の全貌』(集英社クリエイティブ、2013年)
須藤遙子(すどう・のりこ)
日本学術振興会特別研究員、横浜市立大学客員准教授。文化政治学、メディア学
『自衛隊協力映画──『今日もわれ大空にあり』から『名探偵コナン』まで』(大月書店、2013年)、『コンテンツ化する東アジア──大衆文化/メディア/アイデンティティ』(共編著、青弓社、2012年)
王向華(オウ・コウカ)
香港大学グローバル創意産業プログラム・プログラムディレクター。人類学
Japanese Bosses, Chinese Workers: Power and Control in a Hong Kong Megastore(Curzon Press, 1999), Japanese Adult Videos in Taiwan (共著、Routledge, 2014)
【執筆者紹介】(執筆順)
陳聖智(チン・セイチ)
国立政治大学(台湾)伝傳播学院数位内容碩士学位学程助教授
“Retailer’s optimal ordering policy for deteriorating items with maximum lifetime under supplier’s trade credit financing”(with Teng, J. T., Applied Mathematical Modelling, 38(15-16), 2014), “Inventory and credit decisions for time-varying deteriorating items with up-stream and down-stream trade credit financing by discounted cash-flow analysis”(with Teng, J. T., European Journal of Operational Research, 243(2), 2015)
陳威霖(チン・イリン)
国立台湾大学政治学系大学院生
蔡佩純(サイ・ハイジュン)
国立政治大学(台湾)企業管理学系大学院生
黄怡嘉(オウ・イカ)
国立政治大学(台湾)企業管理学系大学院生
潘律(パン・リュ)
香港理工大学中国文化学系助理教授。比較文学、都市学、視覚文化
In-Visible Palimpsest: Memory, Space and Modernity in Berlin and Shanghai(近刊、Bern: Peter Lang, Eurosinica Vol.15, 2015), Aestheticizing Public Space: Street Visual Politics in East Asian Cities(近刊、Bristol and Chicago: Intellect, September, 2015)
王暁葵(オウ・ギョウキ)
華東師範大学(中国)社会発展学院民俗学研究所所長教授。歴史社会学、民俗学
『民俗学與現代社会』(上海文芸出版社、2011年)、『記録と記憶の比較文化史』(共著、名古屋大学出版会、2005年)
阪本博志(さかもと・ひろし)
宮崎公立大学人文学部准教授。社会学、出版文化論
『『平凡』の時代──1950年代の大衆娯楽雑誌と若者たち』(昭和堂、2008年、第30回日本出版学会賞奨励賞・第18回橋本峰雄賞受賞)、『雑誌メディアの文化史──変貌する戦後パラダイム』(共著、森話社、2012年)
周凌楓(シュウ・リョウホウ)
香港大学グローバル創意産業プログラム・プログラム管理者・リサーチアシスタント。ヨーロッパ研究
“Reconceptualizing Integration in Cities of Immigration: A Comparative Study of Berlin and Hong Kong”(The Journal of Comparative Asian Development, 12(2), 2003)
押田信子(おしだ・のぶこ)
横浜市立大学大学院都市社会文化研究科共同研究員、昭和女子大学現代ビジネス研究所研究員。メディア史、雑誌文化研究
「長谷川時雨と『戰線文庫』」(『現代女性文化研究所ニュース』第27号、2010年9月)、「長谷川時雨と慰問雑誌──『陣中倶楽部』輝ク部隊慰問文集を中心にして」(『国際文化研究紀要』第18号、2012年8月)
黄意植(コウ・イショク)
国立政治大学(台湾)東亜研究科博士課程学位論文提出資格者。比較政治経済学
「リーダーシップ構成の変化における成文規則の変容──1978─2006?中国共産党党内における幹部管理の法規を中心に」(『中国大陸研究』第56期、第2巻、2013年)、「韓国におけるメディア・コントロール」(『新聞学研究』第122期、冬季号、2015年)
木村智哉(きむら・ともや)
日本学術振興会特別研究員。映像産業史、アニメーション史
「東映動画株式会社の発足と同社アニメーション映画の輸出に関する一考察」(『演劇博物館グローバルCOE紀要 演劇映像学2011』第1集、2012年3月)、『アニメ研究入門──アニメを究める9つのツボ』(共著、現代書館、2013年)
王勁健(オウ・ケイケン)
国立政治大学(台湾)修士。アジア太平洋学
| |