歴史・文化史・民俗学
芸能的思考
芸能的思考

橋本裕之[著]
四六判/320頁
本体2800円(+税)
ISBN978-4-86405-081-4
C1039
2015.06

民俗学・演劇


「芸能」とは何か、「芸人」とはどういう存在か。それらを柳田や折口などの言説から原理的に考察する一方で、芸能にたずさわる人々の意識と、それが行なわれる場で紡ぎ出される想像力に接近する。
民俗芸能、大衆芸能、ストリップなど、ジャンルを超えて向けられたパフォーマティヴな思考とまなざしの記録。

【目次】
《T》芸人原論
芸能の条件──「招かれざる客」再考
柳田國男における芸能民の場所
笑はない人がありますか──「お笑い芸人」の原像

《U》開け民俗芸能
南の島のポンキッキ
塗り替えられる仮面
正しい太鼓の使い方
江戸城前の獅子舞
天まで届け──花火の精神史
絵解きの資本主義

《V》大衆芸能往来
大衆芸能の真実──中国の?県念八都越劇団に会う
眼の高さで歌いたい──民俗学者、通天閣の歌姫に会う
ゆきゆきて新世界──都市の演劇空間

《W》ストリップ来臨
なんたってストリップ!
ストリップ研究ことはじめ
ストリップについてお話しさせていただきます
ストリップの天才──時代のはざまにたつ踊り子、蘭錦
愛とおっかけの日々

《インタヴュー》小屋掛けストリップの日々 吉本 力×橋本裕之

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【著者紹介】
橋本裕之(はしもと ひろゆき)
1961年大阪市生まれ。
早稲田大学大学院文学研究科博士課程芸術学(演劇)専攻退学。文学博士。
国立歴史民俗博物館助手、千葉大学文学部教授、盛岡大学文学部教授などを経て、現在、追手門学院大学地域創造学部教授。
専門はパフォーマンス・スタディーズ(演劇学・民俗学)。
著書に、『王の舞の民俗学的研究』(ひつじ書房、1997年)、『演技の精神史──中世芸能の言説と身体』(岩波書店、2003年)、『民俗芸能研究という神話』(森話社、2006年)、『舞台の上の文化──まつり・民俗芸能・博物館』(追手門学院大学出版会、2014年)、『震災と芸能──地域再生の原動力』(同、2015年)、『儀礼と芸能の民俗誌』(岩田書院、2015年)ほか多数。