日本近代文学
アンソロジー・プロレタリア文学B 戦争   逆らう皇軍兵士
プロレタリア文学B 戦争

本体3000円(+税)
楜沢健[編]
四六判/360頁

978-4-86405-080-7
C0393
2015.5

日本近代文学


戦争とは何か、軍隊とは何か、国境とは何か、敵とは何か、味方とは何か……。
巧言令色の向こうにある、戦争の本当の姿に向き合ったのがプロレタリア文学だった。
戦後70年の今こそ読まれるべき隠れた名作小説に加え、戦争の暗部をえぐる川柳や詩なども収録。
「個人」ではなく、「集団」としてのオリジナリティーが発揮された作品に焦点をあてる。

【『アンソロジー・プロレタリア文学』について】
1920 年代〜 30 年代に流行し、その後顧みられることの少なかったプロレタリア文学作品を、 テーマ別に全7 巻にまとめ、年2 巻程度のペースで刊行。
プロレタリア文学ならではのラインナップで短篇〜中篇小説、匿名の投稿小説、「壁小説」などを各巻10 本程度収録し、加えて川柳・ 短歌・俳句・詩なども収める。巻末には編者による解説を掲載。
【目次】

川柳=鶴彬

T
川柳=井上剣花坊
橇=黒島伝治
豪雨=立野信之
怒れる高村軍曹=新井紀一
殺戮の殿堂=白鳥省吾

U
川柳=森田一二
鉄兜=中村光夫
俘虜=金子洋文
三月の第四日曜=宮本百合子
入営する弟に=中山フミ

V
川柳=中島国夫
軍人と文学=中野重治
二人の中尉=平沢計七
宣伝=高田保
勲章=宮木喜久雄

W
川柳=井上信子
煤煙の臭い=宮地嘉六
麺麭=島影盟
野ばら=小川未明

    *

解説 戦う相手はどこにいる?=楜沢健

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【編者紹介】
楜沢健(くるみさわ・けん)
1966年東京生まれ。文芸評論家、早稲田大学他非常勤講師。
早稲田大学第一文学部卒業。同大学院文学研究科博士課程単位取得退学。
プロレタリア文学を研究の中心テーマ、座標軸のひとつに据え、ユニークな文芸評論を展開。
著書に『だからプロレタリア文学──名文・名場面で「いま」を照らし だす17の傑作』(勉誠出版、2010年)、 『だから、鶴彬──抵抗する17文字』(春陽堂書店、2011年)、『葉山嘉樹・真実を語る文学』(共著、花乱社、2012年)、 『里村欣三の眼差し』(里村欣三顕彰会編、吉備人出版、2013年)、『多喜二の文学、世界へ──2012年小林多喜二国際シンポジウム報告集』(荻野富士夫編、小樽商科大学出版会、2013年)、 『原発川柳句集──五七五に込めた時代の記録』(レイバーネット日本川柳班編、2013年)、『川柳は乱調にあり──嗤う17音字』(春陽堂書店、2014年)など。