歴史・文化史・民俗学 | |
琉歌の表現研究 和歌・オモロとの比較から | |
ヤナ・ウルバノヴァー[著] |
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八・八・八・六という独特の音韻律をもつ沖縄の抒情歌「琉歌」は、同じく沖縄の古謡である「オモロ」を母胎にして生まれたと考えられてきた。しかし本書では、「表現」という観点から、琉歌と和歌の徹底的な比較調査をおこない、琉歌が日本の和歌の強い影響下で成立した可能性を指摘する。 和歌から表現を借りながらも、沖縄独自の語彙を盛り込み、音韻律を変化させ、和歌を巧みに改作した琉歌の数々を鑑賞、分析する。 【目次】 序文=間宮厚司 【序章】これまでの琉歌研究 【第一章】「面影」をめぐって 琉歌と和歌やオモロの表現比較 一 はじめに 二 「面影」と呼応する動詞 三 「面影→立つ」を詠み込んだ琉歌、和歌、オモロの類似の句 四 「面影」を詠み込んだ和歌の改作琉歌 五 「面影」を詠み込んだ琉歌と和歌の特徴 六 おわりに 【第二章】「影」をめぐって 琉歌と和歌の表現比較 一 はじめに 二 「影」と呼応する動詞 三 「影」を詠み込んだ和歌の改作琉歌 四 「影」を詠み込んだ琉歌と和歌に見られる共通表現(句) 五 おわりに 【第三章】季節語(春夏秋冬)をめぐって 琉歌と和歌やオモロの表現比較 一 はじめに 二 琉歌、オモロ、和歌における季節語の使用率 三 琉歌、オモロ、和歌における季節語と動詞の組み合わせについて 四 「春」の歌について 五 「夏」の歌について 六 「秋」の歌について 七 「冬」の歌について 八 おわりに 【第四章】『標音評釈琉歌全集』の改作琉歌について 一 はじめに 二 『琉歌全集』の「節組の部」の改作琉歌 三 『琉歌全集』の「吟詠の部」の改作琉歌 四 改作琉歌やその元となった和歌のまとめ 五 和歌の表現はどのように琉歌へ流れ込んだのか 六 おわりに 【第五章】オモロと琉歌における「大和」のイメージ 一 はじめに 二 オモロにおける「大和」のイメージ 三 琉歌における「大和」のイメージ 四 「大和」のイメージをオモロと琉歌で比較する 五 おわりに 【終章】本研究のまとめ 参考文献 あとがき 初出一覧 |
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【著者紹介】 ヤナ・ウルバノヴァー(JanaURBANOVチ) 1981年 スロバキア共和国生まれ 2005年 スロバキア共和国コメニウス大学文学部東アジア言語文化学科卒業 2008年 法政大学に研究生として1年間留学 2009年 法政大学人文科学研究科日本文学専攻修士課程入学 2011年 法政大学人文科学研究科日本文学専攻修士課程修了 2014年 法政大学人文科学研究科日本文学専攻博士課程修了 博士(文学)号取得 現在、法政大学HIF招聘研究員。法政大学沖縄文化研究所国内研究員。沖縄文化協会会員。 |