歴史・文化史・民俗学
古代東アジアの「祈り」  宗教・習俗・占術
古代東アジアの「祈り」

叢書・文化学の越境 22

水口幹記[編]
四六判/336頁
本体3200円(+税)
ISBN978-4-86405-068-5
C1020
2014.09

日本古代史・民俗学


いつの時代も人々は様々な願いを抱き、宗教や占いなどにすがって祈念し、願望を叶えようとしてきた。時にはネガティブな感情から呪術などを生み出してもきた。
現代にも通じる「祈り」をめぐって、古代の日本・中国・韓半島・ベトナムなどの東アジア世界で、互いに影響しつつ形成してきた知と文化を探究する。

【目次】

【T古代日本の祈りと文化】
1 アマテラスをめぐる「祭祀」と「祈り」=斎藤英喜
2 <媒介者>としての卜部――国家の祈りにおける役割=大江篤
3 陰陽道の祈り=山下克明
4 古代文学と陰陽道概説――研究史、変遷、国風文化=中島和歌子
5 『日本霊異記』の祈り=小林真由美
6 古代の祈雨儀礼――「てるてる坊主」の淵源=山口えり
7 「怨霊」以前=山田雄司
コラム1 陰陽師の占いの受容過程――「夢」への対応を手掛かりとして=深澤瞳
コラム2 古代東アジアの対外交渉と僧侶=河上麻由子

【U古代東アジアの祈りと文化】
8 海・髪・東アジア、そして祈り=水口幹記
9 天への祈り――中国古代における天信仰の理念と実際=佐野誠子
10 中国古代の占いと祈り=名和敏光
11 韓半島出土「龍王」木簡にみる新羅人の祈り=鄭淳一
12 ベトナムにおける安南都護高駢の妖術――その幻像と真相について=ファム・レ・フイ
コラム3 中国古代の天文学=田中良明
コラム4 災異思想と『開元占経』=佐々木聡
コラム5 土公信仰と道教の交渉=張麗山


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【編者紹介】
水口幹記(みずぐち もとき)
藤女子大学文学部准教授。東アジア文化史、日本古代文学。
『日本古代漢籍受容の史的研究』(汲古書院、2005年)、『渡航僧成尋、雨を祈る──『僧伝』が語る異文化の交錯』(勉誠出版、2013年)ほか