歴史・文化史・民俗学 | |
慰霊の系譜 死者を記憶する共同体 | |
叢書・文化学の越境 21 | |
村上興匡・西村明[編] |
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戦争や自然災害、事故などによる死者を私たちはどのように慰め祀ってきたのか。 家族・地域・国家というレベルの異なる共同体における慰霊を系譜的に明らかにし死者をめぐる営みのゆくえを見さだめる。 【目次】 序論 近代国家と死者の「記憶」の問題=村上興匡 【T歴史のなかの慰霊の諸相】 耳塚・鼻塚・鉄火塚──村の慰霊碑が語る戦国の伝説=清水克行 近世の戦死者祭祀──柳川藩・三池藩を中心に=森謙二 殉職警官の慰霊と顕彰──「巡査大明神」増田敬太郎の場合=西村明 異常死者葬法の習俗をめぐって──『日本民俗地図(葬制・墓制)』記載資料を読み直す=土居浩 地域における戦没者碑の成立と展開=粟津賢太 戦後地域社会における戦争死者慰霊祭祀──慰霊碑等の建立・祭祀についての事例研究=孝本貢 【U戦後における罹災者に対する慰霊・追悼】 東日本大震災による被災死者の慰霊施設──南相馬市から仙台市=鈴木岩弓 慰霊、継承、教訓の場としての御巣鷹の尾根=名和清隆 変質する慰霊行事──「阪神淡路大震災1・17のつどい」の現場から=三木英 現場から考える罹災者慰霊の特徴=西村明 今後の研究のために──「慰霊の系譜」と「慰霊研究の系譜」から=西村明 |
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【編者紹介】 村上興匡(むらかみ こうきょう) 1960年生。大正大学文学部教授。宗教学(社会史)。 『葬祭仏教 その歴史と現代的課題』(共著、ノンブル社、1997年)、『社葬の経営人類学』(共著、東方出版、1999年)ほか 西村明(にしむら あきら) 1973年生。東京大学大学院人文社会系研究科准教授。宗教学、近現代日本の民俗宗教。 『戦後日本と戦争死者慰霊──シズメとフルイのダイナミズム』(有志舎、2006年)、“Battlefield Pilgrimage and Performative Memory: Contained Souls of Soldiers in Sites, Ashes, and Buddha Statues”in Memory Connection Journal, Vol.1, No.1, December 2011.ほか |