叢書・文化学の越境 19
小嶋菜温子・倉田実 服藤早苗[編]
四六判/352頁
本体3100円(+税)
ISBN978-4-86405-049-4
C1095
2013.03
中古文学・平安時代史
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宮廷空間の王権とジェンダー、恋愛・結婚をめぐる儀礼、宴と政治の関係、あるいは占いと信仰など、王朝びとの生活のありさまを、『源氏物語』をはじめとする王朝文学はどのように描いているのか。性差や家、階級など、平安朝の歴史的現実の中で生きた人々の営みを、文学と歴史学の共同作業によって明らかにする。
王朝びとの生活誌へ──序にかえて
1 王朝の生活誌をどうとらえるか──歴史と想像力の交差する場へ(座談会)=小嶋菜温子+倉田実+服藤早苗
[T 宮廷空間とジェンダー]
2 童女御覧の成立と変容──平安王朝五節儀のジェンダー眼差し=服藤早苗
3 『源氏物語』の後宮と密通=高橋亨
4 王朝の時代と女性の文学──日本と朝鮮の場合=李愛淑
[U 恋愛と結婚]
5 平安貴族の求婚事情──懸想文の「言ひ初め」という儀礼作法=倉田実
6 『源氏物語』の結婚と儀礼──古注釈を手がかりに=青木慎一
7 夫妻の情景──「源氏物語絵巻」夕霧段、御法段を中心に=稲本万里子
[V 宴の文化と政治]
8 『源氏物語』と催馬楽──ハレの時空から性愛・結婚まで=小嶋菜温子
9 『源氏物語』における酒宴と和歌──「少女」巻行幸の酒宴を中心に=長谷川範彰
10 曲水宴の政治文化=戸川点
[W 占いと信仰]
11 『源氏物語』と物忌=水口幹記
12 『蜻蛉日記』の火災記事と火災占=深澤瞳
13 藤壺と法華八講──「竜女」のゆくえ=袴田光康
あとがき=服藤早苗
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【編者紹介】
小嶋菜温子(こじま なおこ)
立教大学教授。日本文学。
『源氏物語の性と生誕──王朝文化史論』(立教大学出版会、2004年)、『源氏物語と儀礼』(共編、武蔵野書院、2012年)
倉田実(くらた みのる)
大妻女子大学教授。平安朝文学。
『王朝摂関期の養女たち』(翰林書房、2004年)、『王朝人の婚姻と信仰』(編著、森話社、2010年)
服藤早苗(ふくとう さなえ)
埼玉学園大学教授。平安時代史・女性史・ジェンダー史。
『平安王朝社会のジェンダー』(校倉書房、2005年)、『古代・中世の芸能と買売春』(明石書店、2012年)
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