歴史・文化史・民俗学
自然災害と民俗  
自然災害と民俗

本体2600円(+税)
野本寛一[著]
四六判/272頁

978-4-86405-048-7
C1039
2013.03

民俗学


地震・津波・台風・噴火・山地崩落・河川氾濫・雪崩・吹雪・旱天……。生活を脅かし、ときに人命までをも奪う自然災害に、日本人はどう対処してきたのか。災害と共に生きるための民俗知・伝承知を、信仰・呪術・年中行事・伝説等にさぐる。
【目次】
[序章] 『自然災害と民俗』の座標

[第一章] 地震と津波
プロローグ──津波と亀の松 津波と夢 松と砂丘と津波 臨海の不動山 「命山」の創造 地震・津波と動物 晴明塚と波小僧

[第二章] 火山噴火と降灰
桜島の噴火と降灰 阿蘇山噴火のヨナとその伝承

[第三章] 山地崩落
山地崩落の民俗語彙 山地崩落のゥ伝承 山地崩落の伝説 傾斜地の住まいと「背守り」 「ハタシメ」に込められた祈り

[第四章] 台風
台風の予想伝承 台風・潮風への即物的対応 台風への信仰的対応

[第五章] 河川氾濫
上流と下流の氾濫流 ─天竜川─ 中洲地形の水害 ─四国・吉野川─ 遊水式無堤岸 ─木津川@─ 不連続堤の記憶 ─豊川─ 舟型屋敷と舟型集落 ─大井川─ 河川氾濫と信仰的対応 ─木津川A─

[第六章] 琵琶湖の増水
逆流湛水と稲作 「松明祭」と環境

[第七章] 雪崩
雪崩止めの樹林 マタギと雪崩

[第八章] 吹雪
吹雪の恐怖 津軽の吹雪 年中行事と吹雪

[第九章] 冷害
『沢内年代記』とムラの伝承 ヤマセのムラを歩く 濃霧と日和乞い

[第一〇章] 旱天と雨乞い
旱天の前後 段階的雨乞い

[第一一章] 霜
霜害の実際 霜神社の火焚神事ほか

[終章] 災害列島に生きる
自然の両義性 「古屋の漏り」を越えて

本書をamazonで購入

【著者紹介】
野本寛一(のもと かんいち)
1937年 静岡県に生まれる
1959年 國學院大學文学部卒業
1988年 文学博士(筑波大学)
専攻──日本民俗学
現在──近畿大学名誉教授

著書──
 『焼畑民俗文化論』(雄山閣)
 『稲作民俗文化論』(雄山閣)
 『人と自然と・四万十川民俗誌』(雄山閣)
 『生態民俗学序説』(白水社)
 『海岸環境民俗論』(白水社)
 『軒端の民俗学』(白水社)
 『庶民列伝─民俗の心をもとめて─』(白水社)
 『熊野山海民俗考』(人文書院)
 『山地母源論1・日向山峡のムラから』(岩田書院)
 『山地母源論2・マスの溯上を追って』(岩田書院)
 『栃と餅─食の民俗構造を探る─』(岩波書店)
 『地霊の復権─自然と結ぶ民俗をさぐる─』(岩波書店)
 『大井川─その風土と文化─』(静岡新聞社)
 『自然と共に生きる作法・水窪からの発信』(静岡新聞社)
 『民俗誌・女の一生─母性の力─』(文春新書)
 『神と自然の景観論─信仰環境を読む─』(講談社学術文庫)
 『生態と民俗─人と動植物の相渉譜─』(講談社学術文庫)
 『食の民俗事典』(編著、柊風舎)
 ほか