堤玄太[著] 勝原晴希・安藤宏・山下真史[編]
A5判/248頁
本体3800円(+税)
ISBN978-4-86405-043-2
C1095
2012.12
日本文学[近代]
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敗北とは「意志」の挫折ではなく、宿命に従うとは「意志」の喪失ではない──
朔太郎がその著作活動で迎えた劇的な転機に注目し、「本当の意志」への覚醒によって変貌していく作家像をとらえる。
ほかに、室生犀星・佐藤惣之助・金子光晴論、メディアや歌の翻訳に関する論考などを収める。
【目次】
序=安藤宏
[T]
第一章 萩原朔太郎 「意志」の覚醒
第二章 萩原朔太郎 「情緒」の別れ
──昭和四年の朔太郎ノート
第三章 「漂泊者の歌」試論
──旧約聖書受容の側面から
第四章 萩原朔太郎の恋愛詩を考える準備として
──初期詩篇を読むための一素描
第五章 『新しき欲情』ノート
第六章 大正一二年の萩原朔太郎
──女性・他者・個人主義を巡る試論
[U]
第七章 『鉄集』小考
──室生犀星における詩と小説の解明のために
第八章 佐藤惣之助と『日本詩人』
第九章 金子光晴のアジア
──マレー半島での意識の転位を中心に
第一〇章 〈うたう〉メディア戦略
──『キング』版「愛国百人一首」を中心とした一素描
第一一章 『愛国百人一首』を読む
第一二章 《翻訳》という冒険
──小学唱歌からJ-popまで
第一三章 〈ともだち〉の行方
──近代文学から考える日本の一〇〇年(素描)
解説=勝原晴希
著作目録=山下真史
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【著者紹介】
堤 玄太(つつみ げんた)
日本近現代文学・日本文化専攻。1966年1月、東京都に生まれる。
都立小石川高校卒業。東京大学文学部卒業。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。帝京大学・帝京平成大学教員。白百合女子大学・成蹊大学・清泉女子大学などに非常勤講師として出講。
著書に『萩原朔太郎詩集』(編著、教育出版、2003年)、『『日本詩人』と大正詩』(共著、森話社、2006年)などがある。2010年12月没。
【編者紹介】
勝原晴希(かつはら はるき)
日本近代文学専攻。1952年生まれ。
東京大学教育学部卒業。東京大学大学院人文科学研究科国語国文学専攻博士課程単位取得退学。現在、駒澤大学文学部教授。
編著に『帝国の和歌』(岩波書店、2006年)などがある。
安藤宏(あんどう ひろし)
日本近代文学専攻。1958年生まれ。
東京大学文学部卒業。東京大学大学院人文科学研究科国語国文学専攻博士課程中途退学。現在、東京大学大学院人文社会系研究科教授。
著書に『近代小説の表現機構』(岩波書店、2012年)などがある。
山下真史(やました まさふみ)
日本近代文学専攻。1960年生まれ。
東京大学文学部卒業。東京大学大学院人文科学研究科国語国文学専攻博士課程中途退学。現在、中央大学文学部教授。
著書に『中島敦とその時代』(双文社出版、2009年)などがある。
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