本体6800円（＋税）
澤井真代［著］
A5判／456頁
978-4-86405-042-5
C1039
2012.11
民俗学
豊穣を祈る儀礼において、女性神役・ツカサが、神にしか聞こえないささやき声で唱えるカンフツ（神口）。年の変わり目に集落を訪れる来訪神・マユンガナシが、新年を予祝し唱えるカンフツ。神と人とをつなぐふたつのカンフツを、そのテキストではなく、川平の人々の儀礼実践の中からとらえなおす。
【目次】
［序章］
第一節 琉球列島、儀礼における「ことば」の先行研究
第二節 石垣島川平の神役と儀礼
［第一章 ツカサと神］
第一節 先行研究
第二節 川平のツカサの就任過程
第三節 ツカサのカンフツ
第四節 神への認識
第五節 神との問答
［第二章 マユンガナシと共同体］
第一節 マユンガナシ儀礼とカンフツの概要
第二節 成員によるカンフツの習得
第三節 マユンガナシを迎える人々
［第三章 儀礼への参加者とことば］
第一節 歌・唱え言・発話の継起と連関
第二節 儀礼の場における発話
第三節 胴をあずけ、身をあずけ──夜籠りを描写する表現をめぐって
［第四章 今日の儀礼とツカサ］
第一節 儀礼の変化と女性神役
第二節 獅子舞の担い手
第三節 神送りの儀礼
第四節 今日の川平とツカサ
［資料編］
資料① 年間の儀礼における男性神役（スーダイ）の手控え
資料② 獅子舞の音楽の楽譜
資料③ 川平婦人会作成・主婦が家で行なう祈願の手引き
資料④ マユンガナシのカンフツのテキスト
【著者紹介】
澤井真代（さわい まよ）
1977年 愛知県名古屋市生まれ
2000年 早稲田大学第一文学部卒業
2002年 早稲田大学文学研究科考古学・文化人類学専攻修士課程修了
出版社勤務を経て
2010年 総合研究大学院大学文化科学研究科日本歴史研究専攻博士課程修了。博士（文学）
現在 法政大学沖縄文化研究所国内研究員