日本文学[近世]
越境する古事記伝
越境する古事記伝

山下久夫・斎藤英喜[編]
A5判/352頁
本体7200円(+税)
ISBN978-4-86405-038-8
C1095
2012.09

日本文学[近世]


さまざまな評価/批判にさらされてきた『古事記伝』を中世以来の『日本書紀』注釈学や知の系譜に位置づけ、さらに18世紀の流動する知的状況のなかで新たな可能性へと〈越境〉させる。

【目次】
『古事記』研究の現在と『古事記伝』の可能性──座談会=呉哲男・山下久夫・斎藤英喜

[T 中世からの視点、近代への架橋]
『古事記伝』を近世以前から照らし出す──「日本紀講」・中世の水脈より=山下久夫
ロールオーバー・ノリナガ=門屋温
中世日本紀から『古事記伝』へ=斎藤英喜
産霊論──日本的「一」なるものの系譜=安藤礼二

[U 可能性としての『古事記伝』]
神話から現実へ──変容する世界と『古事記伝』の〈越境〉=金沢英之
宣長と『出雲国風土記』──『古事記伝』の視座から=兼岡理恵
『古事記伝』に見られる天孫降臨の方法──「神代を以て人事を知れり」という世界把握=吉川宜時
『古事記伝』という閉鎖系=森和也
『古事記伝』の注釈態度──「天地初発」段について=森瑞枝

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【編者紹介】
山下久夫(やました ひさお)
金沢学院大学文学部教授/日本文学・日本思想史
『本居宣長と「自然」』(沖積舎、1988年)、『コレクション日本歌人選 本居宣長』(笠間書院、2012年)

斎藤英喜(さいとう ひでき)
佛教大学歴史学部教授/神話・伝承学、宗教文化論
『古事記 不思議な1300年史』(新人物往来社、2012年)、『荒ぶるスサノヲ、七変化──〈中世神話〉の世界』(吉川弘文館、2012年)