歴史・文化史・民俗学
海の熊野
海の熊野

谷川健一・三石学[編]
四六判/416頁
本体3500円(+税)
35978-4-86405-025-8
C1039
2011.06

民俗学・歴史


常世の海へ
神話の時代より黒潮に洗われながら、さまざまな文化を受け取り、そして発信してきた熊野。補陀落渡海や漂着神、海を舞台にした祭り、熊野漁民の活躍など、「山の熊野」に比して忘れられがちな、「海の熊野」の文化を見つめ直す。

【目次】
序=谷川健一
T
海の熊野の魅力=谷川健一
黒潮と黒潮反流=三石学
海からの眼差し 海への眼差し──熊野の祭りの基層=桐村英一郎
花の窟=三石学
U
熊野の補陀落渡海──水葬儀礼に着目して=山本殖生
熊野の漂着神と徐福信仰=三石学
熊野水軍──中世前期を中心にして=阪本敏行
熊野比丘尼と絵解き=林雅彦
V
関東・東北出漁──熊野漁民の進出@=川島秀一
土佐、壱岐、五島の鯨捕り──熊野漁民の進出A=田中弘倫
熊野漁民の遭難=稲生淳
赤須賀船巡回と紀勢本線の開通=三石学
熊野川河口の風景──昭和初年ごろ=宇江敏勝
海女、いまむかし──志摩、熊野灘の磯辺を歩く=川口祐二
W
熊野の地震と津波=三石学
青岸渡寺と那智の滝=田中弘倫
奥熊野の銅山──色川・那智を中心に=田中弘倫
奥熊野の隠れ切支丹娘=中田重顕
X
外国人が見た幕末・明治の串本・大島=稲生淳
熊野灘で起きた外国船の遭難=稲生淳
英国人灯台守と真珠貝ダイバー=稲生淳
熊野文化の先進性と開明性──明治の「大逆事件」が与えた衝撃と余波=辻本雄一
南方熊楠と熊野=吉川壽洋
Y
分布からみた熊野の地名=桑原康宏
浦神・宇久井半島の微細地名=田中弘倫
熊野川か新宮川か──熊野川改名問題=田中弘倫

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【編者紹介】
谷川健一(たにがわ けんいち)
1921年生。民俗学者。
『谷川健一全集』(全24巻、冨山房インターナショナル、刊行中)

三石学(みついし まなぶ)
1955年生。海の熊野地名研究会事務局長、熊野市教育委員会総務課長。
『別冊太陽 熊野──異界への旅』(共編著、平凡社、2002年)、『みえ熊野の歴史と文化シリーズ』(共編著、全10巻、伊勢文化舎、2001〜2010年)