歴史・文化史・民俗学
歴史のなかの家族と結婚  ジェンダーの視点から
歴史のなかの家族と結婚

叢書・〈知〉の森 8

服藤早苗[監修]
伊集院葉子・栗山圭子
長島淳子・石崎昇子
浅野富美枝[著]
四六判/264頁
本体1900円(+税)
ISBN4-86405-022-7
C0321
2011.04

日本史・女性史


古代から、少子高齢化に直面する現代まで、男女の出会いと結婚、家と家族の営み、育児や老いの問題など、家族と結婚の日本史を一冊でわかりやすく解説する。さまざまな変化をたどってきた家族のあり方の歴史と現在。

【目次】
第1章 古代 共同体に育まれる家族(伊集院葉子)
恋イコール結婚の時代 母の許しと共同体の承認 通い婚から同居へ 離婚 性への女の拒否権 家父長制の未成立と双系的・両属的社会 里刀自、家刀自の指揮下での共同労働 経営手腕を振った富豪の刀自たち 命がけの出産と多産報奨 父の育児と男子教育 共同体の老人扶養慣行 百姓の葬地、貴族の営墓

第2章 中世 「家」成立の時代(栗山圭子)
当事者同士の結婚から親の決める結婚へ 婿取婚から嫁取婚へ 不均衡な男女関係 夫による離婚権の把握 強姦の発生 遊女の性格変化 男色 白拍子から猿楽能へ 「家」の成立 「家」の経営と相続 家長と家妻の共同経営 生まれる子ども・死ぬ子ども 子どもの成長と養育 「家」と老人 別墓から同墓へ 家族を持てなかった人々

第3章 近世 嫁入り婚と小家族の展開(長島淳子)
身分によるさまざまな結婚のかたち 結婚の過程と嫁入り婚の儀式 身分・階層差による夫婦関係 離婚の実態と縁切寺 村の若者による娘・後家の性支配 遊廓の成立と私娼 江戸の同性愛と異性装者 近世家族の歴史的位置 階層差による経営形態の諸相 農家の性別役割分業 出産の習俗と堕胎・間引き 育児と公的支援制度 老人の位置と養生訓 葬送儀礼と墓参 シングルとして生きる

第4章 近代 都市家庭の形成と結婚観の変化(石崎昇子)
恋愛の自由・結婚の自由 神前結婚式の始まり 性の二重規範 少なくなる離婚 公娼制批判の始まり 戦争と軍「慰安所」 同性の恋愛を生きる 明治維新と明治民法 夫婦中心の都市家庭の形成 良妻賢母規範の誕生と変容 「産児制限」の誕生 仕事と育児の両立への提言 老後の保障は社会権 少なかった単身者 明治民法改正の試み

第5章 現代 多様化する家族と結婚のかたち(浅野富美枝)
個人の権利となった結婚の自由 多様化する結婚式 問われる夫婦のきずな 変わる離婚 後を絶たない性暴力6 深刻化する性の商品化 多様な性愛 変わる制度としての家族 日本経済を支える家族 性別役割家族の確立とゆらぎ 生殖をめぐるポリティクス 少子化のなかの子育て 高齢社会と高齢者 変わる葬送と墓 増える単身者と家族のゆくえ

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