歴史・文化史・民俗学
古代末期・日本の境界   城久遺跡群と石江遺跡群
古代末期・日本の境界

ヨーゼフ・クライナー
吉成直樹・小口雅史[編]
A5判/432頁
本体7200円(+税)
ISBN978-4-86405-013-5
C1021
2010.06

日本史・北方史・琉球史


〈島〉の城久遺跡群 〈陸〉の石江遺跡群
「日本国」の内と外を結ぶ境界領域に存在しながら、きわめて中央的な遺物が多数出土することで注目を集める喜界島・城久遺跡群と青森市・石江遺跡群。従来の日本史の常識から大きく逸脱する二つの遺跡を比較・対照することで、その共通性と異質性を浮き彫りにし、境界研究に新たな地平をひらく。

【目次】
[T南の境界──喜界島・城久遺跡群]
古代・中世期の南方世界──キカイガシマ・交易・国家=吉成直樹
喜界島城久遺跡群の発掘調査=澄田直敏
南西諸島の様相からみた喜界島=新里貴之
列島南縁における境界領域の様相=高梨修
城久遺跡群の日本古代中世における社会的位置=中島恒次郎
ヤコウガイ交易二つの口と一つの口──争点の整理と検討=安里進
琉球方言ハ行子音p音の素性をさぐる=中本謙
日本の中の諸言語──アイヌ・ヤマト・琉球の言語生成=間宮厚司
『おもろさうし』の甕=福寛美 

[U北の境界──青森市・石江遺跡群]
古代末期の北方世界──北方史グループの研究視角=小口雅史
青森市石江遺跡群の特質=木村淳一
青森市新田(2)遺跡(県教委担当分)=葛城和穂
新田(1)遺跡出土木簡の意義=渡辺晃宏
新田(1)遺跡出土の仏教関係遺物について=須藤弘敏
秋田県の古代木製祭祀具──能代市樋口遺跡を中心として=山田祐子
九・一〇世紀における青森県周辺の地域性=宇部則保
古代末期の北奥蝦夷社会=八木光則
渤海から見た北東北のシャーマニズムと仏教=小嶋芳孝

[V討論──南北の境界の比較]
南北の境界領域の比較──討論のまとめ

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【編者紹介】
ヨーゼフ・クライナー(Josef Kreiner)
1940年生。法政大学企画・戦略本部特任教授。民族学。
『江戸・東京の中のドイツ』(講談社、2003年)、Japanese collections in European museums (Bonn, Bier痴che Verlagsanstalt, 2005年)

吉成直樹(よしなり なおき)
1955年生。法政大学沖縄文化研究所教授。地理学、民族学。
『マレビトの文化史─琉球列島文化多元構成論─』(第一書房、1995年)、『沖縄文化はどこから来たか─グスク時代という画期─』(共著、森話社、2009年)

小口雅史(おぐち まさし)
1956年生。法政大学文学部教授。日本古代中世史・北方史。
『デジタル古文書集日本古代土地経営関係史料集成 東大寺領北陸編』(同成社、1999年)、『エミシ・エゾ・アイヌ アイヌ文化の成立と変容』(編著、岩田書院、2008年)