久野俊彦［著］
A5判／400頁
本体7100円（＋税）
ISBN978-4-86405-001-2
C1039
2009.10
民俗学・日本文学
描かれる物語・語られる絵画
寺社の起源・来歴を記した「縁起」をはじめとする物語が絵巻や掛幅に描かれ、それが「絵解き」され民衆の宗教観・歴史観を形成し、民俗社会の過去と現在をつないでいく……。
【目次】
絵解きと縁起への視角──語り・文字・絵画
［Ⅰ 近世の絵解きと縁起］
『親鸞聖人絵伝』の絵解きの書 縁起のメディア──開帳における縁起 宝物の展観と絵解き 略縁起の板行 略縁起の成立と変化──『愛敬稲荷略縁起』
［Ⅱ 近代に生きる絵解きのフォークロア］
善光寺と高野山周辺の苅萱の絵解き 高野山の苅萱伝説と絵解きの成立 絵解きの現代的成長──苅萱山西光寺の絵解き 地獄絵の唱導と近代文学
［Ⅲ 縁起のフォークロア］
縁起絵巻の成立──『日光山縁起』 縁起と民間伝承──日光・赤城山麓の神戦伝承 縁起と儀礼──素麺地蔵の縁起と日光責め 縁起と民間信仰──『庚申縁起』と庚申信仰の変容
［Ⅳ 絵解きと縁起 資料］
資料①『御伝私考』──近世後期『親鸞聖人絵伝』絵解き本 資料②往生寺の絵紙 資料③高野山苅萱堂の絵解き台本と詞書 資料④「補陀落山祖秘録」──日光流布の『日光山縁起』
【著者紹介】
久野俊彦（ひさの としひこ）
1959年生。都留文科大学文学部卒業。東洋大学大学院文学研究科博士前期課程修了。現在、栃木県立栃木翔南高等学校教諭・東洋大学講師・国立歴史民俗博物館共同研究員・早稲田大学日本宗教文化研究所客員研究員。 日本民俗学・説話文学専攻。